「外壁にひびが入っているんですが、すぐ直したほうがいいですか」
現地でも電話でも、いちばん多いご相談です。結論から言うと、すぐ直すべきものと、しばらく様子を見てよいものがあります。
見分ける材料は3つです。幅・向き・場所。 そして、この3つより優先して見るべき「危ないサイン」があります。
まず幅を見る。目安は0.3mm
一般に、幅0.3mmが補修を検討する目安とされています。
| 幅 | 呼び方 | 見立て |
|---|---|---|
| 0.3mm未満 | ヘアクラック | 表面の塗装やモルタルの表層で止まっていることが多い |
| 0.3mm以上 | 構造クラック | 内部まで達している可能性がある。雨水の通り道になる |
0.3mmと言われても見当がつかないと思います。名刺やハガキの厚さがだいたい0.2〜0.3mmです。ひびに名刺の角を当ててみて、すっと入るなら0.3mm以上だと考えてください。
正確に測るならクラックスケールという定規がありますが、まずはこの方法で十分です。
次に向きを見る
同じ幅でも、向きで意味が変わります。
縦(垂直)のひび
モルタルやコンクリートが乾いて縮むときに出るものが多く、比較的軽いことが多いです。建物のあちこちに細かく散っている場合は、乾燥収縮によるものと考えられます。
横(水平)のひび
要注意です。 鉄筋は水平方向にも入っているため、その位置に沿って出ていることがあります。内部の鉄筋が錆びて膨らみ、コンクリートを押し割っている場合、ひびは横方向に走ります。
斜めのひび
窓やドアの四隅から斜めに伸びているものは典型的です。開口部の角には力が集中するため、そこから出ます。1本だけなら経過を見ますが、複数の窓の同じ位置から同じ向きに出ている場合は、建物の動きを疑います。
場所も見る
同じひびでも、出ている場所で緊急度が変わります。
- 窓・ドアの四隅 … 力が集中する。ひびが出やすい定位置
- 打ち継ぎ部(工事の区切りの線) … もともと弱点。水が入りやすい
- 換気口や設備まわり … 壁に穴を開けている以上、必ず弱点になる
- ベランダの立ち上がり、笠木の下 … 水が溜まりやすく、抜けにくい
換気口まわりについては、実際に漏水した現場をこちらの記事で公開しています。5階の1か所から始まった漏水でしたが、確認すると2階から8階まで同じように傷んでいました。
幅より優先して見るべき「危ないサイン」
幅が細くても、次のどれかが出ていればすでに水が入っています。
① 茶色い筋(錆汁)が垂れている
ひびから茶色い水が流れた跡があれば、内部の鉄筋がすでに錆びています。 錆びた鉄筋は膨らみ、周りのコンクリートを内側から押し割ります。ここまで来ると、ひびを埋めるだけでは済みません。
② 白い筋が出ている
エフロレッセンス(白華)といって、コンクリートの成分が水に溶けて表面に出てきたものです。水がそのひびを通っている証拠です。
③ 叩くと音が変わる
タイルやモルタルの下が浮いていると、叩いたときに軽い音がします。ひびの周りだけ音が違えば、範囲が広がっている可能性があります。
④ 去年より伸びている・広がっている
進行しているということです。写真を撮って日付を残しておくと判断しやすくなります。
放置するとどうなるか
順番はいつも同じです。
- ひびから雨水が入る
- 内部の鉄筋に届く
- 鉄筋が錆びて膨らむ
- コンクリートを押し割り、剥がれ落ちる(爆裂)
- 落下すれば、下は道路や駐車場
3番まで進むと、費用の桁が変わります。 ひび1本を埋めるだけなら数万円で済んだものが、断面の修復や広範囲の補修になると数十万円から。足場を組めばさらに乗ります。
逆に言えば、2番より手前で止められれば安く終わります。 ひび割れの補修が「早いほど得」なのは、この一点に尽きます。
自分で確認するときの注意
無理をして見に行かないでください。外壁の点検で事故が起きるのは、たいてい高いところに登ろうとしたときです。
安全にできる範囲はこれくらいです。
- 地上から、スマートフォンでズームして撮る
- ベランダから手すりの内側に立って撮る
- 建物全体の遠景を1枚、気になる箇所の寄りを1枚
この2枚があれば、おおよその判断はできます。
迷ったら写真を送ってください
現地確認とお見積りは無料です。 写真を送っていただければ、「すぐ直すべきか」「様子を見てよいか」の見当はその場でお答えできます。
橙會は足場を組まないロープアクセスで作業するため、ひび1本、数か所だけの補修でも受けられます。 全面に足場を回す必要がないので、部分補修ほど費用の差が出ます。
「まだ工事を頼むと決めたわけではない」という段階で構いません。状態を知っておくだけでも、次の判断が変わります。